AIを使いこなす力とは
AIは便利です。でも、AIの答えをそのまま正解だと思っていいのでしょうか。
子どもがAIを使う時代に必要な力について考えます。
先日、巨人の阿部慎之助監督に関する報道がありました。
阿部監督は、僕が野球に興味を持った2008年くらいからずっと見ていた選手で、巨人の中心にいたヒーロー的な存在です。
だからこそ、今回の報道はかなり複雑な気持ちで見ました。
報道によれば、家庭内でのトラブルをきっかけに、娘さんがChatGPTに相談し、児童相談所への相談につながったとされています。
もちろん、家庭内で実際に何があったのかは外からは分かりませんし、この記事は阿部さん個人やご家族を責めるためのものではありません。
ただ、娘さん本人の声明を見る限り、このような大事になってしまったことへの後悔や反省もにじんでいるように感じました。
この報道を見たり、日頃から塾で生徒を見ていて、強く感じていることがあります。それは、
ということです
親や先生、友達などに言いにくいこと。そういうことを、子どもがAIに聞く。
これはもう、かなり当たり前のことになっていると思います。
AIは相談相手になる。でも、正解をくれるとは限らない
AIは便利です。質問すると、すぐに、そして丁寧に答えてくれます。
文章もきれいで、筋が通っているように見えます。
だからこそ、怖いところがあります。
数学の計算問題のように、答えが一つに決まるものならまだ分かりやすいです。
でも、世の中には答えが一つではない問題がたくさんあります。
人間関係・進路・勉強法・・・
これらは、状況によって答えが変わります。
本来は、自分で考えたり、いろいろな人の意見を聞いたりしながら判断するものです。
でも、AIはそういう問いにも、それっぽい答えを出してきます。
AIの答えは「正解」ではなく「一つの案」
AIが出してくる答えは、正解というより一つの案です。
もちろん、役に立つことはあります。
考えを整理してくれたり、別の視点を出してくれる。
言葉にしにくいことを文章にしてくれたり、自分の考えをブラッシュアップしてくれる。
こういう使い方なら、AIはかなり強いです。
でも、「どうしたらいい?」というような広い聞き方をして、その答えをそのまま実行するのは危ないと思います。
AIは、現場を見ていません。
AIは、こちらが伝えていない背景や細かい事情までは分かりません。
それなのに、文章だけはきれいに返ってきます。
AIを検索エンジンとして使うのは危ない
勉強の分野でも、これはかなり大事です。
AIを検索エンジンのように使うのは、基本的にはおすすめしません。
「これについて教えて」
「これを調べて」
「この分野をまとめて」
こういう使い方をすると、AIはそれっぽく答えてくれます。
でも、その情報が必ず正しいとは限りません。
僕自身、研究や塾に関することをAIに聞いてみることがあります。
そのとき、こちらが持っている情報の方が正しくて、AIの回答が明らかに違うと感じることも、正直かなりあります。
問題は、前提知識がないと、その間違いに気づけないというところ。
だから、AIに調べてもらう前に、まず確かな情報に当たることが大事です。
勉強であれば、まずは教科書。資料集。
学校のワーク。授業で使っている教材。
こういうものを軸にした方がいいです。
AIは、その後に使うものです。
AIを使うにも、能力が必要
これからAIは、もっと生活に入ってくると思います。
勉強でも、仕事でも、日常生活でも、AIを使う場面はどんどん増えるはずです。
ある意味、インフラのようになっていくでしょう。
だから、AIを使うこと自体を否定するつもりも、その必要もありません。
むしろ、使えるようになった方がいいです。
ただし、AIを使うにも能力が必要です。
- 何を聞くのか
- どこまで信じるのか
- どこを疑うのか
- どの情報で確認するのか
- どのように質問するのか
ここまで考えないと、AIに使われる側になってしまいます。
「困ったらAI」「AIが言ったからそうする」
この思考回路は危ないと思います。
まず、自分で考える。そして最低限、自分で調べる。その上で、AIに聞く。
この順番が大事です。
AIは「答えを出す道具」ではなく「考えを整理する道具」
AIの良い使い方は、丸投げではありません。
たとえば、「これについて教えて」
ではなく、
「この考え方でおかしいところはある?」
「この解き方のどこで間違えている?」
こういう聞き方の方がいいです。
つまり、AIに答えを出してもらうのではなく、自分の考えを整理するために使う。
これなら、AIはかなり強いです。
勉強でも同じです。
丸つけを全部AIに任せる。
分からないから最初からAIに聞く。
これだと、自分で考える時間が抜けてしまいます。
丸つけも、自分の間違いに気づくための大事な勉強です。
自分で解き、自分で丸つけする。
そのうえで、どこが分からないか考え、自分である程度の考えを出して、AIに聞く。
この流れなら、AIは良いサポーターになります。
子どもに教えたいAIの使い方
子どもにAIを使わせるなら、まず伝えたいことがあります。
特に、人間関係や家庭の問題、健康、お金、進路のようなテーマは、AIだけで決めない方がいいです。
AIに聞いてもいい。
でも、そのあとに一度止まる。
「これは本当に正しいのか」
「この通りにしたら、どうなるのか」
ここを考える必要があります。
子どもにとっては、AIの答えは大人のアドバイスのように見えるかもしれません。
でも、AIは責任を取ってくれません。
AIの言葉を実行して、その結果を受けるのは現実の本人です。
だからこそ、AIに聞いたあとに、その内容を精査する習慣が必要です。
AIだけで完結させないことが大切です。
AI時代ほど、勉強が必要になる
AIがあるなら、勉強しなくてもいい。
そう考える人もいるかもしれません。
でも、僕は逆だと思います。
AIの答えが正しいかどうかを判断するには、自分の中に基準が必要だから。
何も知らなければ、AIの間違いに気づけません。
何も考えていなければ、AIの答えをそのまま信じてしまいます。
教科書や資料集を見る。
自分なりの意見を持つ。
こういう地味な勉強が、AIを使う土台になります。
AIは便利です。だからこそ、使う側の力が必要です。
まとめ
AIは、これからの時代に欠かせない道具になるでしょう。
子どもがAIに相談することも、珍しくなくなっていくはずです。
だからこそ、AIを禁止するだけではなく、どう使うかを教える必要があります。
- AIの答えは、正解ではなく一つの案
- AIは検索エンジンではなく、考えを整理する道具
- 広い質問を丸投げするのではなく、自分の考えを持った上で使う
- 人間関係や進路のような大事なことは、AIだけで決めない
AIを使いこなすためには、AIそのものの知識だけでなく、自分で考える力が必要です。
これからの時代、勉強の意味はむしろ大きくなると思います。
オーオンでは、中学生・高校生の定期テスト対策や受験指導に加え、AI時代に必要な学び方についても考えながら指導しています。
AIを使えば勉強しなくていい、ではありません。
AIを使う時代だからこそ、教科書を読み、問題を解き、自分の考えを持つ力が大切になります。
オンライン個別指導に加え、桶川市での対面個別指導にも対応しています。
勉強のやり方や、AIとの付き合い方に不安がある方も、お気軽にご相談ください。