【高校生物・生物基礎】セントラルドグマとは?DNA・RNA・タンパク質の流れをわかりやすく解説

やさしくわかる生物基礎
【生物基礎】セントラルドグマとは?
DNA・RNA・タンパク質の流れをわかりやすく解説

セントラルドグマは、DNA → RNA → タンパク質という遺伝情報の流れです。
転写・翻訳・mRNA・リボソームまで、図を使ってやさしく整理します。

セントラルドグマとは何か

まずは結論から。

セントラルドグマとは、簡単に言うと、遺伝情報の流れのことです。

と言っても、イマイチしっくり来ないと思うので、これから解説していきます。

生物では、基本的に

DNA → RNA → タンパク質

という順番で情報が流れます。

この流れを、セントラルドグマといいます。

タンパク質は、筋肉など体の材料にもなりますし、酵素のように体の中ではたらく道具にもなります。

まずは「体を作ったり、体を動かしたりするものを作る流れ」くらいに思っておきましょう。

設計図の例で考える

いきなりDNA、RNA、タンパク質と言われると、少し難しく感じるかもしれません。

なので、まずは例を見ながら考えてみましょう。

セントラルドグマを「家を作る流れ」とでも捉えてみます。

DNAは、設計図の原本のようなものです。

つまり一番の根幹になるもの。

大事な情報は全てここに詰まっています。

ただし、家を建てるとき、いきなり原本の設計図を現場に持ち出してしまうと、汚したり破いたりするかもしれず、少し怖い。

そこで、原本をコピーして、作業用の設計図を作る。

この作業用コピーにあたるのがRNAです。

そして、そのコピーされた設計図をもとに、実際に家を作る。

この家にあたるのがタンパク質です。

イメージはこれだ!
  • DNA=設計図の原本
  • RNA=作業用コピー
  • タンパク質=設計図をもとに作られるもの

セントラルドグマは、この流れを表しています。

セントラルドグマの基本であるDNAからRNA、タンパク質への流れを説明する図
セントラルドグマの基本|DNA → RNA → タンパク質

遺伝子とは何か

セントラルドグマを理解するには、まず遺伝子という言葉を確認しておきましょう。

遺伝子とは、親から子に受け継がれる、生物の特徴を決める因子

たとえば、体のつくりや、体内ではたらくタンパク質の情報などに関わります。

現在では、遺伝子はDNA上にある特定の塩基配列として考えられることが多いです。

イメージは、DNAっていう大きな本があって、その全部を設計図として使う、というよりは、その本の中に家を作るためのレシピや設計図が書いてある、という感じです。

DNAからRNAへ:転写

セントラルドグマの最初の流れは、

DNA → RNA

です。

この過程を転写といいます。

転写とは、DNAの情報をRNAに写し取ること

設計図の例で言えば、原本の設計図をコピーする作業です。

元々の本をコピーしたって、出てくるのは本ではなくコピー用紙ですよね。

そのコピー用紙がRNA、というイメージです。

DNAは、細胞の中で遺伝情報を保存している大事な物質です。

そのため、必要な情報を使うときには、DNAそのものを直接使うのではなく、RNAというコピーを作ります。

このとき作られるRNAのうち、タンパク質合成に使われるものをmRNAといいます。

mRNAのmは、messenger(伝令・配達人)のmです。

つまり、mRNAは「遺伝情報のメッセージを運ぶRNA」と考えると分かりやすいです。

RNAからタンパク質へ:翻訳

次の流れは、

RNA → タンパク質

です。

この過程を翻訳といいます。

翻訳とは、mRNAの情報をもとに、アミノ酸をつなげてタンパク質を作ること

英語を日本語に翻訳するように、mRNAに書いてある情報をタンパク質という形あるものに変えるので、翻訳と呼ばれます。

この翻訳は、リボソームという場所で行われます。

細胞内で転写が核で起こり、翻訳が細胞質のリボソームで起こることを説明する図
場所|転写は核、翻訳はリボソーム

タンパク質は何をしているのか

ここで、タンパク質についても確認しておきます。

タンパク質というと、筋肉や食べ物のタンパク質をイメージする人が多いかもしれません。

もちろん、それもタンパク質です。

ただ、生物の体内では、タンパク質はもっといろいろな場所ではたらいています。

体の構造を作るものもあれば、酵素として化学反応を進めるものもあります。

つまり、タンパク質は体の材料でもあり、体の中ではたらく道具でもあります。

遺伝情報が最終的にタンパク質になることで、細胞の性質やはたらきが生まれます。

だから、DNAの情報がRNAを通してタンパク質になる流れは、生物を理解するうえでかなり重要です。

役割で整理
  • DNAは保存用の設計図
  • RNAは作業用の設計図
  • タンパク質は実際にできるもの

発展:逆転写とRNAワールド

ここからは少し発展です。

生物基礎の基本としては、セントラルドグマは

DNA → RNA → タンパク質

の流れとして理解すれば十分です。

ただし、すべての情報の流れが必ずこの方向だけ、というわけではありません。

たとえば、HIVのようなレトロウイルスでは、RNAの情報をもとにDNAを作ることがあります。

これを逆転写といいます。

通常の流れとは逆に、

RNA → DNA

という流れが起こるわけです。

また、生命の初期には、RNAが中心的な役割を持っていたのではないか、という考え方があります。

これをRNAワールド仮説といいます。

イメージとしては、最初はRNAが「情報を持つ役割」と「実際にはたらく役割」の両方を担っていたかもしれない、という考え方です。

その後、情報を長く安定して保存する役割はDNAへ、実際にはたらく役割の多くはタンパク質へ、というように役割分担が進んだのではないかと考えられています。

もちろん、これは発展的な内容なので、生物基礎ではまず DNA → RNA → タンパク質 の流れを押さえれば十分です。

まとめ

今回のポイント
  • セントラルドグマとは、DNA → RNA → タンパク質 の流れのこと
  • DNAの情報をRNAに写し取ることを転写という
  • RNAの情報をもとにタンパク質を作ることを翻訳という
  • DNAは設計図の原本、RNAは作業用コピー、タンパク質は作られるもの

このように考えると、セントラルドグマはかなり理解しやすくなります。

生物にしろ、生物基礎にしろ、まず用語を丸暗記するよりも、わかりやすくイメージすることが大切です。

今回もコメント欄を開放しておくので、他にも扱ってほしい単元などがあればリクエストしてください。

オーオンの指導について

オーオンでは、中学生・高校生の定期テスト対策や受験指導を行っています。

生物では、用語をただ暗記するだけでなく、しくみを理解できるように説明することを大切にしています。

DNA、RNA、タンパク質のように抽象的な内容も、身近な例に置き換えることで理解しやすくなります。

オンライン個別指導に加え、桶川市での対面個別指導にも対応しています。

生物の勉強でつまずいている方、用語暗記だけでなくしくみから理解したい方も、お気軽にご相談ください。

書き手紹介
野中 詩生|オーオン塾長

オンライン学習塾・個別指導塾オーオン代表。

中学生・高校生の理科・生物を中心に、定期テスト対策から受験指導まで対応している。

自身もウイルス研究に取り組んでおり、DNAやRNAといった教科書の知識が、実際の生命現象とどうつながるのかを分かりやすく伝える指導を大切にしている。

「セントラルドグマ」って、高校生物の中でもかなり響きがかっこいい言葉だと思っています。ちなみに個人的に一番好きな用語は「CRISPR-Cas9」です。

この記事を書いた人

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